バインダー(ラッパ)の構成
バインダー(ラッパ)という名称はもともと口金のみを指していましたが、今では押さえ金、針板を含めた商品の名称として使用されています。こちらでは、矢野商会が得意とするRタイプバインダー(ラッパ)を例に挙げ、その構成についてご紹介します。
Rタイプバインダー(ラッパ)の構成
Rタイプバインダー(ラッパ)は、ラッパ口金、針板、押さえ金、送り歯が揃って初めて使用できます。ラッパ口金がはもちろん、縫製個所である針の落下点に接する押さえ金も、非常に重要なパーツです。
ラッパ口金から折られて出てくるテープの形状とピッタリと合うように加工された押さえ金でなければ、イメージ通りにテープを折ることはできません。
ラッパ口金
テープを二つ折り、三つ折り、四つ折りにする役目を担うパーツ。口金部分と取り付け台部分から成ります。
口金部分はテープの厚さに合わせて製作します。万一、厚手用に作られたラッパ口金に薄手のテープを挿入すると、テープと口金の間に遊びが生じ、安定した縫製ができません。
また、逆に薄手用のラッパに革製などの分厚いテープを挿入すると、テープとラッパ口金に抵抗が生じ、送り不良や素材の縮みの原因となります。
一般にテープの厚みを「厚手」「薄手」「標準」と称しますが、縫製の業種や現場に応じてかなり異なります。テープに合ったラッパ口金を製作するには、テープそのものを見本としてご用意いただくのが一番。詳しくは「信頼のオーダーメード」をご参照ください。
針板
針板とはラッパ口金を取り付ける部分です。
Rタイプバインダー(ラッパ)の針板は、ラッパ口金が針板上面より沈み込むように、三日月型の穴を設けた「三日月針板」を使用します。この三日月型の穴部分は、ラッパ口金部分の形状と縫製物へのぬいしろに合わせて加工します。
詳しくは「バインダー(ラッパ)の組み方〜針板の加工」をご覧ください。
押さえ金
押さえ金は、縫製個所の針落ちに接するパーツ。ラッパの仕上がりを左右する、最も重要な部分です。
ラッパ口金によって二つ折り、三つ折り、四つ折り状になって出てくるテープを素材に縫い付けやすくするため、テープ縫い上がり幅に合わせて加工しなければなりません。
押さえ金がラッパ口金に適合していないと、縫製の仕上がりにも不具合が生じます。縫製時にトラブルが生じた場合は、押さえ金の状態を確認してみるのも、問題解決へのひとつの糸口です。
送り歯
通常の平ミシン3列送り歯は、右列の送りが中列より長く、Rタイプバインダー(ラッパ)の取り付け台部分に接触するため使用できません。そのため、Rタイプバインダー(ラッパ)用には、右列の送り歯をカットしているものを使用します。さらに、裏側を深く巻けるように製作した場合のRタイプバインダー(ラッパ)は、ラッパ口金部分が送り歯左列に接触するため、左列もラッパ口金に接触しないようにカットしています。
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- バインダー(ラッパ)の種類
- バインダー(ラッパ)の構成
- バインダー(ラッパ)の組み方